« 女神ブロンズ時計の修復(Restoration of Mantelshelf Clock) | トップページ | グランドファーザークロックの修復(Restoration of a Grand Father Clock) »

原子時計の製作(Making of an Atomic Clock using Rubidium Frequency Standard unit which was used for generating Television Synchronous Signals)

 原子時計を製作してみました。きっかけはルビジウム原子発振器が手に入ったことです。ルビジウム原子発振器は30年前製のテレビ放送局の廃棄処分になった機器で、電源が壊れてました。

Nuclear_3 

製作したルビジウム原子時計の試作ラインアップです。左から・・・

ステッピング・モータによる秒針駆動装置ステッピング・モータ用ドライバ&電源

カウントダウン・カウンタルビジウム発振器&電源・・・

これまで貯め込んだメカトロニクス知識で歯車切りからIC回路のハンダづけなど全部自分で製作しました。 ルビジウム原子発振器は放送局の局内時計やカラーテレビ信号、テレビ同期信号の発生の基準となるものです。

Img_1085_2 

これより、もっと精度のいいものがあります。それはセシウム原子発振器を使用したものです。セシウムは皆さんがお持ちの電波時計の原振となるもので、数億円という高価なもので、電波で時計の校正用に日本中で受信することができます。比較的安価なのがルビジウムで、新品でも7,80万円くらいです。原子時計の精度はルビジウムで10のマイナス11乗から12乗ですからざっと1万年に1秒程度ですか。

時の記念日に講演した時のPPTがありますのでPDFダウンロードして見てください。

「RB-Clock.pdf」をダウンロード

分周回路とはRb発振器の出力5MHzの信号から1秒のパルスを生成する回路です。回路ブロック図はRB-Clock。pdfを見てください。

Img_1080_edited1

Pic053 作ってみようという人は以下を読んでください。

本来、クオーツ時計の水晶の原発振の周波数は2のべき乗(1,2,4,8,16,32,64,128,256、・・・)となっていますが(これは分周ICの回路数を100%活用するため)、ここでは、入力信号が5MHzという周波数のため10進のカウンタICを使用しました。

10進のカウンタは内部が5進と2進の組み合わせとなっています。ここで注意すべきことは、途中の回路では5進と2進のどちらを先に信号をいれてもかまいませんが、最後の1秒パルスの出るところの直前に2で割る必要があります。

その理由は出力秒パルスのDutyが丁度50%-50%になるようにする必要があるからです。

さらに注意することは、Rb発振器の波形がサイン波になっていることから、このままTTL回路に入力すると波形の立ち上がり、立下りの傾斜が緩やかなため、TTLが発振してしまい、カウンター回路が誤動作を起こします。

したがって、1VP-P程度のサイン波を一旦、TTLレベルまで(すなわち5Vレベルまで)増幅した後、ヒステリシス特性を持つシュミットトリガ回路を通してTTLの”H”と”L”の間の不安定領域をなくすことが必要です。これはアナログ信号をデジタル信号に変換するときの常とう手段でもあります。

回路は東急ハンズで購入したアクリルケースに穴をあけて取り付けます。このケースは透明のガラス風のチョウバンのついたアクセサリーBOXです。

この中にはさらに、Quartz時計のカウントを会員に講義するため、2進の回路を直列につなぎ、59秒まで点灯するLEDで2進法の説明をしました。59秒まで数えたら、全部をリセットして全LEDが消灯します。そしてさらに1ケタの桁上がりをするという説明に使用。

Dsc00403 次に歯車の製作です。

1分で1回転する機構を製作するには、ステッピング・モータの回転数と合わせる必要があります。手元にあったステッピング・モータの規格は1パルスで1.8度回転するものです。時計の目盛は、60秒で1回転ですから、360度では1秒は6度回転ということになります。

すると、18対60の歯車の比を持つためには18歯と60歯の歯車を組み合わせることで実現します。

写真は筆者が自作した歯車製作機械です。この機械を使用して歯車の歯を一つづつ切っていきます。

Pic031 写真は製作した歯車です。大きい方が歯数60小さい方が歯数18のものです。軸に取り付け用の筒も旋盤で製作し、歯車をカシメます。

その上でデプスツール(Depth Tool)という機械で歯車の噛み合いを調整して、ふたつの歯車の間隔をセットしてこのツールの先が尖っているのがおわかりでしょう。

この尖った先で時計の地板にケガキを入れてから、穴あけをします。こうすることで、噛みあいが最適の位置に歯車を取り付けられるということになります。

この作業のあと、小型ベアリングを取り付けます。

Img_1084_2そして組上がったら、手製の

Dsc00406

ハンド(時計の針)を取り付けます。製作する時は針は小さいので、後で穴をあける時に、ドリルで壊してしまう恐れがあるので、あらかじめ真ちゅうの素材に中心の穴あけをしてから針の形に糸ノコを使用し形を作ってヤスリ加工します。

Dsc00437

最後の写真がステッピング・モータに取り付けたものです。

これで、秒針が1分で1回転するメカニズムが完成しました。

ここから先はまだ作っていません。この先には面白い「からくり」を工作しようと思っています。

次は分針と時針ですが、小学校で習ったように時計の歯車の比は解りますよね。

60:1と12:1でできますが、60という比も12という比も大きいので、それぞれ、6と10、3と4という比で歯車の組み合わせをします。もちろんその他の比もあります。

歯車の組み合わせにはモジュールと呼ばれる、m=D/N(直径を歯数で割った数値)が使われます。モジュールが合っていないと歯車どうしが噛みあいません。この歯車の製作にはm=1.0の歯車フライス・カッターを使用しました。歯切りをしている写真に見えるフライス・カッターは10年ほど前にスイスのベルジョン社で購入したセットのものです。残念ながら、現在は製造中止で販売されていません。

そろそろ肩が凝ってきたので今日はココイラで・・・

今度はグランドファーザー・クロックの修復、17世紀の前振り子時計の修復を書きます。

バイ!!

|

« 女神ブロンズ時計の修復(Restoration of Mantelshelf Clock) | トップページ | グランドファーザークロックの修復(Restoration of a Grand Father Clock) »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 原子時計の製作(Making of an Atomic Clock using Rubidium Frequency Standard unit which was used for generating Television Synchronous Signals):

« 女神ブロンズ時計の修復(Restoration of Mantelshelf Clock) | トップページ | グランドファーザークロックの修復(Restoration of a Grand Father Clock) »