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時計歯車製作機械を自作(Making of Wheel Cutting Machine/Engine)

 (Home made Clock,Watch Wheel and PInion Cutting Engine)

しばらくご無沙汰しました。

約半年をかけて時計の歯車を製作する機械「歯切り盤」を自作しました。

現在の腕時計は修理に出すと、メーカーから供給される交換用部品と取り換えるだけです。置時計に至っては修理不能と言われています。

しかし、20世紀前期、19世紀以前の時計の修復には交換部品がありません。簡単な故障は一部の部品の製作で修復できるのですが、歯車のようなものはゼロから作るしかありません。ただし、修復する価値のあるものだけですが・・・・・・・。

現在、歯車製作機械と称するものは販売していません。歯車を製作する場合はプレスで金属板を打ち抜いて量産しています。

したがって、懐中時計の破損した一枚の歯車を製作することは簡単ではありません。

そこで比較的時間をかけないで歯車を製作するための機械を自作しました。

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上の写真左はモータ駆動回路です。モータはブラシレスDCモータ(このモータの特徴は低速でのトルクが大きい)を使用しました。音が極めて静かで、ブラシモータのような大きな騒音を発生しません。モータは様々な直径の歯車が製作できるようにX,Y,Z軸のスライドを使用し、カッターの歯が素材の中心に合わせられるようにセンタリング用の目安板を取り付けてあります。

現在、割り出し盤はスイスBERGEON、ドイツ製アンティーク物、SAKAI割り出し機構、自作割り出し板などが使えるため、ほとんどの割り出しができます。下図は裏側から見た写真でダイヤルゲージは切りこむ歯先の寸法を正確に調整するためのものです。またヘッドストックとテールストックを軸を合わせて作ったので、素材を両端保持してブレがなく、正確なPINION(かな)を製作できます。素材保持に8mmコレットチャックを使用できるように、コレットのテーパ軸受けも自作し、テールストックの軸の固定にはパイジョンのベアリング支持金具を使用しています。

DCモータとフライスカッター保持機構は自作のジュラルミンの箱を作り、自動NC旋盤に使用するコレットチャックホルダーをベアリングで支持し、モータの軸に正確に合わせてあります。カッター保持のチャックは6mmを使用しています。フライスカッターはBERGEON(10mm径)のセットやスリ割りフライスを使用するための6mm径のカッターアーバーを作ってあります。

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歯車の試作:左写真はスリワリフライスで製作した歯車の歯形整形をする前のものです。

歯車整形:右側の写真は19世紀のTOPPING TOOL(歯車整形機)を使用して歯型を作ったもの。当時は割り出しをした後に歯車整形をして時計製作を行っていました。

この歯車整形の実演は2011年6月5日の「時計愛好家の集い」(時の記念日に因んで一般に公開している古典時計協会と時計研究会が合同で開催している)で公開で行ったものです。日本では歯車整形機の実演はこれまで誰もしたことはなかったのですが、今回、19世紀の時計製作の様子が再現されました。

この機械では今回、スリワリフライスで割り出しを行っただけですが、もちろん、歯型のカッターを使用して歯車を製作することができます。

2011年11月13日

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